文字創作日記

創作をしてたまに日記書くブログ。感想ついたら嬉しいです

それでおしまい

たのしいことがあったら
わははと笑って にっこりして
それでおしまい

かなしいことがあったら
ぴいと泣いて ぐうと寝たら
それでおしまい

たくさんの人が暮らし 眠り 生きて
何回か夜と朝をくりかえして
それでおしまい

いつか遠い日 千年もむかしに
一組の男女が ここで愛を誓いあった
それはもう だれも知らない

やさしい風が 海のほうからぴゅうと吹いて
それでおしまい それでおしまい

もしぼくが死んだら

あるはずもないことなんだけど
もしぼくが死んだら
ちゃんと見てほしい
ぼくのそのときのすがたを

あるはずもないことなんだけど
もしぼくが死んだら
みんなに伝えてほしい
ぼくが精いっぱい生きたってことを

あるはずもないことなんだけど
もしぼくが死んだら
きみに言ってほしい
ずっと言えなかったことを

あるはずもないことなんだけど
もしぼくが死んだら
ときどきは 思い出してほしい
ぼくがこの世界にいたってことを

あるはずもないことなんだけど
きっとぼくは いつか死ぬから
おねがいしたことは できたら
生きているうちに してほしい
できることならば そうしてほしい

ぼくもきっと そうするから

タナトフォビア

死は平等におとずれる。
死ぬということをリアルに最近想像してしまう。
と言って、死にたいわけではない。
自分はいつ、どこで死ぬのだろう。
そのあとはどうなるのだろう。

自分がこの世から消える。
そこはきっと無で、何もないし、何もないということすら知覚できない。
その瞬間が遅かれ早かれいつかは来る、ということは、とても信じがたい。
しかし、死を信じられないということは、同時に生の実感を完全には得られないということでもある。


生は、死によってかたち取られている。

いずれ死ぬとしたら、なにをやってもむなしい。

助けてほしくても、誰も助けられない。
逃れられはしない。
とてもこわく、さびしい。こわい。

おとのないせかいで

おとのないせかいで
わたしは生きる

おとのないせかいは
光もある 色もある 匂いもある

ただ おとだけが ないのだ

おとよ わたしのたいせつなおとよ
もう一度だけ
やさしく あまく かなしく せつなく うれしそうに
わたしに教えておくれ
もう一度だけ

わたしはきっと 聴かなければならない
この満ち足りた 不満足な おとのないせかいで

恐怖

「みんな消えていってしまう」と考えるのはとてもおそろしいことだ。
自分を心から信じてくれた人、応援してくれた人、愛してくれた人、みんなこの世から少しずついなくなってしまう。いつかは、そうなる。
あとに残るのはなにか。自分という存在を見てくれない人たちばかりがそこに残る。自分の存在を誰かに認めてもらえないということは、とてもおそろしいことだ。
きれいごとを言えば、そうなる前に、誰かに愛されるのではなく、誰かを愛することを覚えなければいけないのかもしれない。
しかし、堪らなく怖いのだ。この世で自分のことを存在として認めてくれた人間がこの世からいなくなって、どのように自分を支えたらいいのか、わからない。その時がくることはとてもおそろしいことだ。
不安に押しつぶされそうになっても、それに負けないだけの勇気がほしい。心の平穏がほしい。誰かが見ていてくれなければ、平穏でいられない。神は必要だ。少なくとも自分にとっては、神が必要なのだ。

時間

「時間よ止まれ」とぼくは願った

沢山の思い出を詰め込んで
宝石箱のように きらきらと時は進む
過去も未来も現在も 変わらず時は進んできた
嬉しさ悲しさも すべての感情を詰め込んで
時は流れる 流れる 流れる
 
与えてもらった幸せはいつか旅立つ
ぼくを残して
 
時間よ止まれ
せっかくくれたものなのだから
持っていかないで
どうか 時間よ止まれ
ぼくがいいと言うまで 動かないで
今をもっと 今でいさせてくれ
ストップ!

黄金色の精神

成し遂げよう なにかを
なんでもいい 気になることがあれば
話してみないか 心ゆくまで
生きていることを 生きているままに
 
黄金色の精神で 世界をぶん殴ってやらないか
世界にはあとで 謝っておくから
 
今 「この道が正しいのか」なんて
踏み出した瞬間に わかっているはずだろう
それを信じてみないか 信じさせてくれないか