もしぼくが死んだら
あるはずもないことなんだけど
もしぼくが死んだら
ちゃんと見てほしい
ぼくのそのときのすがたを
あるはずもないことなんだけど
もしぼくが死んだら
みんなに伝えてほしい
ぼくが精いっぱい生きたってことを
あるはずもないことなんだけど
もしぼくが死んだら
きみに言ってほしい
ずっと言えなかったことを
あるはずもないことなんだけど
もしぼくが死んだら
ときどきは 思い出してほしい
ぼくがこの世界にいたってことを
あるはずもないことなんだけど
きっとぼくは いつか死ぬから
おねがいしたことは できたら
生きているうちに してほしい
できることならば そうしてほしい
ぼくもきっと そうするから
恐怖
「みんな消えていってしまう」と考えるのはとてもおそろしいことだ。
自分を心から信じてくれた人、応援してくれた人、愛してくれた人、みんなこの世から少しずついなくなってしまう。いつかは、そうなる。
あとに残るのはなにか。自分という存在を見てくれない人たちばかりがそこに残る。自分の存在を誰かに認めてもらえないということは、とてもおそろしいことだ。
きれいごとを言えば、そうなる前に、誰かに愛されるのではなく、誰かを愛することを覚えなければいけないのかもしれない。
しかし、堪らなく怖いのだ。この世で自分のことを存在として認めてくれた人間がこの世からいなくなって、どのように自分を支えたらいいのか、わからない。その時がくることはとてもおそろしいことだ。
不安に押しつぶされそうになっても、それに負けないだけの勇気がほしい。心の平穏がほしい。誰かが見ていてくれなければ、平穏でいられない。神は必要だ。少なくとも自分にとっては、神が必要なのだ。